「メビウスの輪」の表側
福岡の某大学に通う学生が、日々のどうでもいいことを備忘録代わりに書き記したり、オリジナルの推理小説を中心とした様々な小説をを発表したりするブログです。
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Who done it? その6 -探偵・勝の推理-
探偵・勝の推理

 すべての話を聞き終えた警部は、曇った表情で首をかしげた。
「どうしました? 警部、浮かない顔をして」
 狭いクローゼットから解放された私は、逆に晴れ晴れとした表情で警部に尋ねる。
「一つ解せない点があってな、それに全体的になんだかすっきりしないというかなんと言うか……」
 思わず笑みがこぼれる。
「簡単なことじゃないですか、いつも警部が私に向かっていう嫌味を考えれば。まあそれに気付けば、ほころびが一つではないことにも気付くでしょうね」
 不思議そうな顔をする警部。
「そんな分かったようなことを言うが……犯人は分かったのか?」
「……とりあえず、あの『妙なダイイング・メッセージ』のおかげで容疑者を二人に絞ることは出来ました」
「な、なんだと!」
 そこまで驚かなくても、私の推理力を以ってすればこの程度。
「喜ぶにはまだ早いですよ、警部…・・・そういえば、ここの部屋の調度品は、隣の部屋――つまり純輝氏の殺害現場のものと一緒でしたよね」
「ああ、阿部さんの話によるとそうらしいな」
 私は入り口前の花瓶、即ち純輝氏の命を奪った花瓶と同種のものを持ち上げてみた。
「よっと、重いな。これじゃあどう考えたって片手で持ち上げるのは無理……と」
 私はゆっくりと部屋を見回す。この部屋の中には突発的犯行の撲殺には最もポピュラーなアイテム、灰皿を含めて他に凶器になりそうなものが見当たらない。
「警部、最も簡単に確認出来る真偽は確かめましたか?」
「警察をなめるな、それくらい確認はとった。1週間前に病院に行った記録が残っている。医者が虚偽の診断書を書いたんでない限り、本当だ」
 私は頷き、言った。
「どうやらピースは揃ったようです」
「な、何、それじゃあ……」
「ええ」
 そして私は、最高の決め台詞を宣言する。
「事件のピースは全て私の掌中にあります。組み立てて見せましょう、警部の目の前でね」
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